日本の風物詩のセミですが、成虫になるための一大イベントが幼虫から成虫になる”羽化”段階になります。
この羽化段階は神秘的とされ、筆者自身も生で見たことがありますが、非常に魅力的で一度子供の時に見ただけなのにも関わらず未だに(20年ほど)印象に残っています。
しかし、このセミの羽化は命懸けでして、天敵や外部の影響で失敗してしまい最悪の場合は死亡させる恐れがあります。
ですので、この記事ではセミの羽化が失敗する原因などについても解説していきます。
セミの羽化が失敗することはある?
そもそも、セミの羽化が失敗することはあるのかと言うことですが、結論=約50~60%の個体が羽化を失敗すると言われています。
これはほとんどの方が知らないと思いますが、約3~6年土の中にいてやっと土に出てきても50~60%の個体は成虫になることすらありません。
詳しい原因などは下記の”#見出し2”で紹介しますが、非常に残酷な世界です。
弱肉強食ですし、そのために昆虫は大量産卵を行いリスク分散していますので、下手に人間が関わるところではないと思います。
セミが羽化を失敗する主な原因
上記でも言ったように、約50~60%のセミが羽化を失敗しています。
これには明確な原因が色々ありますので、下記では全5つの原因について紹介します。
原因1,体力が持たない
セミが羽化を失敗する原因1つ目は「体力が持たない」です。
そもそも羽化を失敗する原因に体力が持たないと言うのがありまして、土の中から頑張って木に登り殻を破って成虫になれない個体が存在します。
なぜ途中で体力がなくなる個体が多いのかは不明ですが、せっかく長期で幼虫をするのにも関わらず約1日で体力が切れます。
ですので、羽化が失敗している幼虫を見ると、成虫になる一歩手前で黒くなっていたりして、可哀想な状態になっています。
これに関しては詳しく知りたい方だけに見ていただきたいので、別途調べて下さい。
原因2,天敵に襲われる
セミが羽化を失敗する原因2つ目は「天敵に襲われる」です。
セミの羽化は木の中央部や上部で行い、幼虫→成虫になるまである程度時間を要すため、どうしても無防備になります。
その際に鳥などの天敵に襲われたり、捕食されたりしてしまい=羽化失敗です。
この状態によって鳥や他の天敵が成長できるので、どちらが良いとか悪いとかは明確に判断することができません。
原因3,人間の外部的影響
セミが羽化を失敗する原因3つ目は「人間の外部的影響」です。
セミが羽化を失敗する大半は上記の2つの原因がほとんどなのですが、中には我ら人間の影響で失敗する可能性はあります。
と、言うのもそれこそセミの幼虫が一生懸命登った木から、人間が無理やり退けたり落としてしまうと高確率で死亡させてしまう可能性があるでしょう。
また、興味本位でツンツンしたり、ベタベタ触ると幼虫の殻の中で怪我をさせてしまい羽化不全もしくは羽化失敗します。
原因4,準備不足
セミが羽化を失敗する原因4つ目は「準備不足」です。
セミの幼虫は非常に慎重で、色々な条件をもとに土から顔を出したり、羽化する前に自分がどこで羽化するべきかを下見した上に再度地面に戻ります。
これが個体によっては間違ったところを下見したり、その段階でたまたまあったものに目星を付けていれば羽化が失敗する可能性が高くなるでしょう。
ですので、羽化をする前に準備ができた個体=成功しやすい・準備不足の個体は羽化が失敗しやすいとなります。
原因5,タイミングのミス
セミが羽化を失敗する原因5つ目は「タイミングのミス」です。
セミが羽化するときは非常に繊細で、大雨・強風などでは羽化が失敗する可能性は非常に高くなります。
基本的にはこの状況をうまく避けながら羽化する個体がほとんどですが、たまに失敗して大雨の時や風が強い日に出てきてしまうことがあります。
場所さえ良ければ上手く羽化できるかもしれませんが、天気が悪化した時に羽化を開始すると高確率で羽化は失敗するでしょう。
セミの羽化が失敗するのを助ける方法
セミの羽化を手助けする方法は結論から言うと=全くありません。が、1つだけ言えるとすれば天敵から守ることです。
と、言うのも上記で紹介してきましたが、セミの羽化が失敗する主な原因は天敵に襲われたりすることになります。
=鳥や他の天敵から守るために、我ら人間がセミの天敵から守れば良いわけです。
とは言っても数が半端ないため、全てを守ることはできませんが、自分の周りにいる数十匹は人間が観察していれば、セミの羽化を確実に守れるでしょう。
これが唯一のセミが羽化を失敗するのを防げる方法ではありますが、これ以外に人間が手を加えると逆に失敗を助長させる可能性がありますのでご注意ください。
まとめ
本記事では「セミの羽化が失敗することはあるの?|原因や助ける方法を解説」についてお話してきました。
セミの羽化は神秘的で魅力的なのですが、命懸けのため些細なことで羽化を失敗します。
その原因が上記で紹介した5つのこともありますし、さらには他にも原因などが存在して幼虫→成虫になるのはたった40~50%です。
ですので、羽化失敗は当然のように起こりますし、セミに関しては羽化した後にも命懸けの活動を行なっていきます。
また、人間が直接的に助けることはできないので、弱肉強食、社会の縮図を見守るしかできないと言っても良いでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
他にも、昆虫に関する情報や豆知識記事などもありますので、ぜひそちらもご覧ください。