カブトムシは飼育を始めると繁殖をしたいと思うのですが、繁殖するためには“交尾(ペアリング”をする必要があります。
しかし、初めて飼育をしている方にとって交尾をするのは、難しいと思われるでしょう。
結論から言うと=カブトムシの交尾は難しいと思われがちでして、実は簡単でシンプルです。
この記事では、カブトムシの交尾を初めてする方に分かりやすく簡単に失敗しない方法をご紹介していきます。
カブトムシの交尾(ペアリング)のやり方
そもそも、カブトムシの交尾(ペアリング)に関しては大きく分けて2種類の方法があります。
<交尾(ペアリング)のやり方>
- ハンドペアリング
- 一定期間の同居
の2つです。
言い方を悪くすると、”1,ハンドペアリング”に関しては無理やりさせる方法で”2,一定期間の同居”のやり方は自然な方法になります。
カブトムシであればどちらのやり方でも上手く交尾ができれば繁殖することが可能です。
やり方1,ハンドペアリング
カブトムシの交尾(ペアリング)のやり方1つ目は「ハンドペアリング」です。
手順を紹介すると↓
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STEP1道具の準備ハンドペアリングをする際に、まず必要なのは下記の”見出し2”で紹介した道具を準備することです。
ある程度費用はかかりますが、2,000円以内で準備することができます。 -
STEP2爪とぎの上で交尾を開始次は、早速交尾を開始するのですが、先ほど準備した道具の”猫の爪とぎ”にメスをまず乗せて、その上からオスを被せてあげてください。
ここからは自然に交尾が終了するまで待ってあげましょう。大体、40分前後で終了します。 -
STEP3終了後、産卵セットへ移す交尾が終了しましたら、メスのみを産卵セットへ移していきましょう。
産卵セットの組み方はこちらで詳しく紹介しています。
これらが“ハンドペアリング”で行う交尾の手順です。
やり方2,一定期間の同居
カブトムシの交尾(ペアリング)のやり方2つ目は「一定期間の同居」です。
手順を紹介すると↓
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STEP1道具の準備ハンドペアリング同様、事前に道具を準備する必要があります。
ここで必要なのは、産卵セットのみですので、道具についてはこちらの記事をご参照ください。 -
STEP21ペアを入れる準備をすることができましたら、そこにカブトムシの1ペア(オス・メス)を入れてください。
ただ、単に入れておくだけで大丈夫です。 -
STEP33日後にオスのみを取り出す1ペアを入れた後は、下手すれば既にメスが土に潜っている可能性がありますが、ケースからオスだけを取り出してください。
その後は、産卵セットの状態を確認しながらメスが卵を産んでいるのか?確認しましょう。
産んでいる場合はそのままで良いですが、もし産んでいないのであればこちらの記事をご参照ください。→カブトムシが卵を産まない原因5選!!
これらが“一定期間の同居”で行う交尾の手順です。
カブトムシの交尾に必要な道具
カブトムシの交尾は、やり方によっては道具が異なりますので、一概には言えませんが、下記では”ハンドペアリング”で交尾を行うために必要な道具を紹介します。
<交尾に必要な道具>
道具1,猫の爪とぎ
カブトムシの交尾に必要な道具1つ目は「猫の爪とぎ」です。
交尾時は下記の画像のように、後ろ足を踏ん張った状態で、メスの上にオスが乗り上げます。
ですので、なんせ足場がしっかりしている必要があるのですが、その際に使えるのが木材よりも猫の爪とぎです。
と、いうのも木材に関してはサイズが必要ですし、直ぐに逃げてしまい交尾までさせることができないのですが、猫の爪とぎは格安で広範囲の足場を準備できます。
しかも、形も平坦のものを準備できるため、ハンドペアリングで安定させた交尾をさせるのであれば、確実に爪とぎがおすすめです。
筆者に関しては2,3個を引っ付けて使っていたりしますし、爪とぎに変えてからは安定して交尾を行なってくれる傾向があります。
おすすめはこちら↓
道具2,逃亡防止用ケース
カブトムシの交尾に必要な道具2つ目は「逃亡防止用ケース」です。
カブトムシは交尾をしている最中では、基本的には何も動かず30~50分程度じっとしています。
しかし、交尾が終了した際に確認できなかった場合は、下手すれば逃亡する可能性があるので、逃げないように対策する必要があります。
その際に使うことができるのが、猫の爪とぎの上に何かしらのケースを被せる行為です。
これをしていれば、もし交尾終了時に居なくても逃げることなく放置できますので、便利ですし安心して他のことができます。
筆者が使っているケースはこちら↓
道具3,ファンデーションブラシ
カブトムシの交尾に必要な道具3つ目は「ファンデーションブラシ」です。
急に化粧道具が出るのか?となると思いますが、この道具は意外と必要でして、交尾がなかなか始まらない場合は、カブトムシを興奮させる必要があります。
その際に使えるのが、ファンデーションブラシでして、この道具でオスのお尻をササッと触ってあげると興奮状態になります。
こうなると交尾が進む可能性があり、時間の短縮にもなりますので、しないよりはやった方が良いと筆者的には思います。
もちろん、手でもできるのですが、色々試した結果ファンデーションブラシがおすすめです。
道具4,手袋
カブトムシの交尾に必要な道具4つ目は「手袋」です。
手袋は100%必要か?と言われれば、優先するような道具ではないですが、カブトムシなどの足で怪我しないように持っておくべきです。
特に、国産のカブトムシであれば爪の鋭さはないのですが、外国産になれば成人男性の手を一網打尽にするので、手袋があるだけで怪我を防ぐことができます。
筆者が使用の手袋はこちら↓
カブトムシの交尾を確実に成功するためのコツ
カブトムシの交尾をするのであれば失敗するのは、やはり誰でも”嫌”だと思います。
ですので、ここでは現役ブリーダーとしてカブトムシの交尾を確実に成功するためのコツをご紹介していきます。※100%で成功するわけではありません。
コツ1,ハンドペアリング
カブトムシの交尾を確実に成功するコツの1つ目は「ハンドペアリング」です。
上記の”目次1”で紹介したやり方の中でも1番目に紹介した方法のハンドペアリングは、人工的に無理やり行う方法になります。
この方法はメスを木材の上などに置いて、その上からオスを優しく置いてあげる方法です。
上手くいけば大体1~5分の間に交尾を開始しますので、この方法であれば間違いなく交尾を見送ることができます。
コツ2,完璧に成熟するのを待つ
カブトムシの交尾を確実に成功するコツの2つ目は「完璧に成熟するのを待つ」です。
カブトムシの交尾を行うためには羽化してから休眠期間を経て”後食”と言われる餌を食べ始めてから一定期間経つと成熟します。
こうならなければカブトムシの交尾をすることはできず、成熟する前に交尾をしてしまうと下手すれば死んでしまう可能性があります。
コツ3,何度か交尾を行う
カブトムシの交尾を確実に成功するコツの3つ目は「何度か交尾を行う」です。
カブトムシは基本的に1度の交尾で産卵することはできるのですが、確実に失敗したくないのであれば2,3度交尾を行いましょう。
しかし、カブトムシは基本的に1度交尾を行うと2,3回目は超絶嫌がってメスは逃げます。
ですので、そのような状況になれば交尾は完了しているので、それ以上無理やり行わずそのまま産卵をさせてあげましょう。
カブトムシの交尾の時間
カブトムシの交尾はどれくらいの時間がかかるのか?と言うことですが、結論=30分~1時間程度といえば間違いありません。
しかし、これに関してはカブトムシの種類によっては交尾の時間が全然違いますので、詳細については別途記事で紹介します。
国産のカブトムシに限った話で言うと大体30分と見積もって置いて大丈夫でしょう。
長ければ1時間程度交尾を行うと言われていますが、ブリーダーとして答えるとそんなに長い時間交尾することは“稀”です。
基本的には交尾する前から合わせて約40分かかれば”長いな”ぐらいですので、そこまで構える必要はありません。
カブトムシが交尾をする際の音や鳴き声
カブトムシが交尾をする際は、明らかに普通に飼育している時とは違う音?鳴き声?を発生させます。
と、言うのも詳細はこの記事→カブトムシの成虫は鳴くことがあるの!?|オス・メスで鳴き比べてみたで紹介しているように、交尾をする時に違う音を発生させます。
これは鳴き声と言っても良いのですが、交尾をするときに「ギューギュー」・「ジュージュー」という音がなります。
こうなるときは基本的には興奮している状況の時ですので、カブトムシが交尾するときはある程度の音量でなるので、この音が聞こえれば交尾をしている状況です。
カブトムシは交尾をすると寿命が短くなる?
世間ではカブトムシは交尾をすると寿命が短くなる!と言われていますが、真実をここで言うと=間違いなく短くなります。
やはり1回でもかなりの体力を失くすのか、何もしない状態で飼育した時に比べて明らかに短くなってしまいました。
しかし、これに関しては100匹単位で検証したわけではないので、個体差も多少ありますが明らかに短くなっていると今まで実感しました。
ですので、少しでも長く生きてほしいと思うのであれば交尾をしないのが良いですが、さすがに1年も2年も伸びるわけではありません。
国産のカブトムシであれば長くても1ヶ月程度の変化ですので、それと比べれば来年のためにも繁殖させてあげる方が良いでしょう。
まとめ:カブトムシの交尾は簡単
本記事では「カブトムシの交尾(ペアリング)のやり方を解説|失敗しない方法」についてお話してきました。
カブトムシの交尾はほとんどの方が思っている以上に簡単でして、全くの初心者であっても1回で上手くできると思います。
ちなみに参考程度に言うと、筆者は1番最初にブリードしたのはヘラクレスオオカブトでして、見事1発で成功しました。
そんな感じですので、日本の気候に合っている国産カブトムシであれば尚簡単に行えます。
失敗したくないと思うのであればハンドペアリングで行えば失敗することはないので、ぜひあきらめず挑戦してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
他にも、昆虫に関する情報や豆知識記事などもありますので、ぜひそちらもご覧ください。